本日はロシュの限界について
考えてみることにしました。

解説動画はこちら



さて、ロシュの限界とは
惑星や衛星が潮汐力に破壊されずに
近づける限界距離の事で

ロシュ限界より内側に入ると
その天体は潮汐力により破壊されてしまうようです

つまり、質量の大きな天体同士が近づくと
一方が粉々になってしまうことになります

一般的には質量の小さい方が
バラバラにされてしまうようですね

ロシュの限界は次のような計算式で
求めることができるようです

ただし、惑星や衛星などの性質として
剛体であるか流体であるかで
計算式がちょっと変わってくるようです

剛体の場合
スクリーンショット 2022-07-30 12.47.37


流体の場合

スクリーンショット 2022-07-30 12.47.46

流体の場合は限界が少し伸びるようです


さて、ここからは
月を地球に落とそうとしたら、どこで限界を迎えるか
を考えてみましょう

まるでSF映画のようですが
昨日、ローランド・エメリッヒ監督作品
「ムーンフォール」が公開されたので
ちょうど良い題材ですね


一応先程の計算式で計算できるようです

地球の半径6370𝑘𝑚
地球の密度5.52𝑔/𝑐𝑚3
月の密度は3.34𝑔/𝑐𝑚3


これを先程の計算式にぶち込むと・・・


月に流動性がないと考えた場合
r = 6370
s = 5.52
b = 3.34

R = (2 *s/b) ** (1/3) * r
print(R)
9488.851161893317


月に流動性がある場合
r = 6370
s = 5.52
b = 3.34

R = 2.423 * r * (s/b) ** (1/3)
print(R)
18248.35482126908

結果はkmで
こんな感じで求められました


地球の性質を考えると
1万kmから1万8千kmあたりで
ロシュの限界を迎えるっぽいです

地球 - 月の距離は約38万kmなので
月を破壊したければ
この距離内に近づければ良いことになりますが
結構大変ですねー


その昔
自分がロシュの限界を知った作品に
スプリガンmk2(1992)があります。

pc-engineのシューティングゲームなので
知っている人は少なそうですが
月に空間駆動エンジンを取り付けて
地球軌道に向かわせぶつけて
地球人を滅ぼそうとする設定でした

まあ、その前にロシュの限界を迎えるから
地球にはそのままは当たらないんだけどね
なんて台詞あるので、結構覚えてます

PS5画質で復活しないかなー

本日はそんな
SFによく出てくる
ロシュの限界の計算方法について
解説してみました

それでは。