さて、今年も受験シーズンですねーー

数学の問題をプログラムで解くという
無駄なことをやっていきたいと思います。

解説動画はこちら





2020年の数学1の問題です。

さてまず最初は

スクリーンショット 2020-01-26 16.48.25

問題見るだけだと
なんだかよく分からないですよねー

まずはこの直線L君を作図してあげましょう。
そうすれば分かりやすくなるはずです。

Python言語では
数学的な作図が非常に楽です。

数式用、作図用のライブラリを
インポートします。
import numpy as np
import warnings
import matplotlib.pyplot as plt
warnings.simplefilter('ignore')
%matplotlib inline

作図では直線を描くので
x軸、y軸の値が必要になります。

y軸の値は数式を元に生成されるので
x軸の値を適当に生成します。

numpyのlinspaceで
数値を適当に生成することができます。
a=1
x = np.linspace(-5, 5, 100)
y = (a**2-2*a-8)*x + a
plt.plot(x, y,label=str(a))
plt.legend()
plt.show()
download



aが1の時を作図してみると
傾きは右肩下がりで負の値になっています。

今度はaが8の時を試してみます。
download-1

そうすると右肩上がりで
傾きが正の値になりました。

どこかに境界線があるはずです。

aの値を複数用いて
まとめて作図してみます。
for a in range(1,6):
    x = np.linspace(-5, 5, 100)
    y = (a**2-2*a-8)*x + a
    plt.plot(x, y,label=str(a))

plt.legend()
plt.show()
download-2
aの値を1から5までで作図すると
4の時に平行になったように見えます。
5になると正の値になっているように見えます。

と言うことで4が境界線に
なっていると言えそうです。

ただし、aの値は負の値を取ることも
考えられますので、aが負の時も
作図してみます。
for a in range(-6,0):
    x = np.linspace(-5, 5, 100)
    y = (a**2-2*a-8)*x + a
    plt.plot(x, y,label=str(a))

plt.legend()
plt.show()
download-3
aが負の場合
-2で平行になっているように見えますね。

合わせると回答すべきポイントは
アイ< a < ウなので

-2 < a < 4

と言う感じになりますね。

ただしこれだと
図からの判断なので
実際に傾きを求めてみましょう。

傾きは
スクリーンショット 2020-01-26 16.48.46
にて求めることができます。

x,yの共分散は
np.cov(x,y)[0,1]

xの分散は
np.var(x)

これで求めることができます。

これでaを入れて傾きを求めてみると
for a in range(-5,6):
    x = np.linspace(-5, 5, 100)
    y = (a**2-2*a-8)*x + a
    
    # 傾き = x,yの共分散 / xの分散
    coef = np.cov(x,y)[0,1] / np.var(x)
    print(a,'\t',coef)
-5 	 27.27272727272728
-4 	 16.161616161616156
-3 	 7.070707070707068
-2 	 0.0
-1 	 -5.050505050505051
0 	 -8.080808080808078
1 	 -9.090909090909092
2 	 -8.080808080808078
3 	 -5.050505050505051
4 	 0.0
5 	 7.070707070707068




はい、これで-2と4のところで
ちゃんと傾きは0で平行になっていますので
それを越えれば傾きが正になることが確認できました。


続いて

スクリーンショット 2020-01-26 16.48.55

先ほどの直線Lとx軸の交点と言っているので
x軸を作図してあげれば
交点bが分かりやすくなります。

プログラム上では
単純にy=0とし、xを適当な値で結んで
直線を描けばx軸になります。
a=1
x = np.linspace(-5, 5, 100)
y = (a**2-2*a-8)*x + a

# 直線Lを作図
plt.plot(x, y,label=str(a))
# x軸を作図
plt.plot([-5,5], [0,0],c='red')
plt.legend()
plt.show()
download-4

はい、赤線と青線の交わる部分が交点bですねー

さてaが変われば傾きが変わり
交わる部分も変わってくるのですが

求めたい交点bについては
yの値は0なのでxの値を求めてあげれば
良いと言うことになります。

と言うことで
直線の式を変形して
xの値を求めてみましょう。

式を変形すると
y = (a**2-2*a-8)*x + a

y-a = (a**2-2*a-8)*x

(y-a)/(a**2-2*a-8) = x

x = (y-a)/(a**2-2*a-8)
y=0なので、yの部分を0に変えてあげれば
xの値をすぐに求めることができますね。

aを変えてxを求めてみましょう。

まずは a > 0 の場合

for a in range(0,11):
    if (a**2-2*a-8)!=0:
        x = (0-a)/(a**2-2*a-8)
        print(a,'\t',x)
0 	 -0.0
1 	 0.1111111111111111
2 	 0.25
3 	 0.6
5 	 -0.7142857142857143
6 	 -0.375
7 	 -0.25925925925925924
8 	 -0.2
9 	 -0.16363636363636364
10 	 -0.1388888888888889

これでみると4のところが無くて
5から負の値になっていますね。

4の値をもう少し細かく見てみましょう。
for a in np.linspace(3.9, 4.1, 21):
    if (a**2-2*a-8)!=0:
        x = (0-a)/(a**2-2*a-8)
        print('{:.03}'.format(a),'\t',x)
3.9 	 6.610169491525415
3.91 	 7.3510058281631725
3.92 	 8.277027027027007
3.93 	 9.467598169115819
3.94 	 11.054994388327726
3.95 	 13.277310924369653
3.96 	 16.610738255033528
3.97 	 22.166387493020434
3.98 	 33.277591973244355
3.99 	 66.6110183639381
4.01 	 -66.72212978369552
4.02 	 -33.38870431893784
4.03 	 -22.277501381979285
4.04 	 -16.72185430463576
4.05 	 -13.388429752066106
4.06 	 -11.166116611661277
4.07 	 -9.578724405742625
4.08 	 -8.388157894736848
4.09 	 -7.462141944900592
4.1 	 -6.721311475409841

と言うことで4を越えると
xが0未満になり成立しません。

a > 0 の場合、b > 0となるのは エ < a < オ
なので

答えは

0 < a < 4

ですね。


a<=0の場合は
for a in range(-10,0):
    if (a**2-2*a-8)!=0:
        x = (0-a)/(a**2-2*a-8)
        print(a,'\t',x)
-10 	 0.08928571428571429
-9 	 0.0989010989010989
-8 	 0.1111111111111111
-7 	 0.12727272727272726
-6 	 0.15
-5 	 0.18518518518518517
-4 	 0.25
-3 	 0.42857142857142855
-1 	 -0.2

-2で負の値に切り替わりますね。
-2付近を細かく見ると
 for a in np.linspace(-3, -1, 21):
    if (a**2-2*a-8)!=0:
        x = (0-a)/(a**2-2*a-8)
        print('{:.03}'.format(a),'\t',x)
-3.0 	 0.42857142857142855
-2.9 	 0.466988727858293
-2.8 	 0.5147058823529413
-2.7 	 0.5756929637526651
-2.6 	 0.6565656565656565
-2.5 	 0.7692307692307693
-2.4 	 0.9375000000000004
-2.3 	 1.2169312169312176
-2.2 	 1.774193548387094
-2.1 	 3.4426229508196755
-1.9 	 -3.220338983050848
-1.8 	 -1.551724137931033
-1.7 	 -0.9941520467836252
-1.6 	 -0.7142857142857142
-1.5 	 -0.5454545454545454
-1.4 	 -0.4320987654320987
-1.3 	 -0.3504043126684635
-1.2 	 -0.28846153846153844
-1.1 	 -0.2396514161220043
-1.0 	 -0.2

はい、これで-2を界に
負の値になることが確認できたので

a <= 0 の場合、b > 0となるのは a < カキ

a < -2

となりました。

ふう
普通に問題を解くのに比べて
3倍ほどは時間がかかるんじゃないでしょうかね

このように
無駄なコードを書くことで
プログラミングを上達させることが
できるかもしれません。

お暇であれば試してみるのもいかがでしょうか?

今回はこれまでです。
それでは