今回はPythonの実装を
めちゃくちゃ高速化出来るという
codonライブラリを試してみました


解説動画はこちら




このcodonライブラリですが
C/C++に匹敵する実行速度を実現出来るという
コンパイラです

Pythonのライブラリだと他にも

PyPy
Cpython
Numba 

などのコンパイル型
高速化ライブラリが存在しますが
それを超える速度を出せるとか・・・

一応の制約として
標準ライブラリ以外は
含める事ができない制約があるようです


高速化のベンチマークなどは
こちらにコードがあります

codon

今回はGoogle Colabで
検証してみたいと思います


Google Colab上へのインストール
%%bash
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://exaloop.io/install.sh)"

まずはライブラリをインストールしないと
動かないのでこれでコマンド等をインストールします

インストール後はcodonコマンドが使えます
実行の仕方
1.Pythonの実装ファイルを作成する「.py」
2.Google Colabのファイル置き場に置く
3.codonコマンドでコンパイルしながら実行
codon run ファイル名

これでコンパイルしながら実行されます

4.実行用のファイルをコンパイルする
codon build -release -exe ファイル名
コンパイルしたファイルの実行
./ファイル名

これらでPython実装からcodonで
実行が行えます




素数判定のプログラムで検証

まずは素数の判定に使われるプログラムで
時間を計測してみます

prime.pyというファイルにして
ファイルを配置します

# Pythonでの実装
from sys import argv
from time import time
def is_prime(n):
    factors = 0
    for i in range(2, n):
        if n % i == 0:
            factors += 1
    return factors == 0
limit = int(10000)
total = 0
t0 = time()
for i in range(2, limit):
    if is_prime(i):
        total += 1
t1 = time()
print(total)
print(t1 - t0)
1229
2.6382787227630615

Pythonでの実装は2.63秒ほどでした

codonでコンパイルしながら実行します
!/root/.codon/bin/codon run /content/prime.py
1229
0.112064

20倍ほどは早くなっていますね





アッカーマン関数での比較

次はアッカーマン関数で比較です
この関数は非負整数 m と n で
定義される関数のことで

与える数が大きくなると
爆発的に計算量が大きくなり
性能測定などに用いられるようです

このプログラムを使用しました
再帰を伴うので、上限を開放しておかないと
動かない様です
# pythonによる実装
import time
import sys

#再帰回数の上限を開放
sys.setrecursionlimit(100000)

def ackermann(m: int, n: int) -> int:
    if m == 0:
        return n + 1
    elif n == 0:
        return ackermann(m - 1, 1)
    else:
        return ackermann(m - 1, ackermann(m, n - 1))

m, n = 3, 10
start = time.time()
result = ackermann(m, n)
end = time.time()
print(f"ackermann({m}, {n}) = {result}")
print(f"elapsed time: {int((end - start) * 1000)} [ms]")
ackermann(3, 10) = 8189
elapsed time: 7522 [ms]


codon版は再帰の回数を少し増やしています
!/root/.codon/bin/codon run /content/coden.py
ackermann(3, 11) = 16381
elapsed time: 847 [ms]


最適化してコンパイルしておいたものを
実行してみると

!/root/.codon/bin/codon build -release -exe /content/coden.py
!/content/coden
ackermann(3, 11) = 16381
elapsed time: 185 [ms]

同じ回数ではないですが
再帰回数が2倍に増えていても
実行時間は50倍ほどは速そうです


ベンチマークによると
100倍ほど早くなるそうで
簡単なアルゴリズムなんだけど
実行回数が多いとか
時間がかかる部分を大幅に短縮出来ますね

pure python が輝ける日が来るかもしれません

今回はPython実装を高速化させる
codon について紹介しました

今回はここまでです
それでは